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骨盤臓器脱(膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤)
骨盤臓器脱とは、
女性の骨盤内臓器(膀胱、直腸、子宮)と腟壁の間の支持組織が脆弱になって伸びることにより、骨盤内臓器が腟壁から飛び出てくる状態をいいます。


膀胱瘤


子宮脱


直腸瘤

女性の骨盤底には骨盤底筋群といわれる膀胱、子宮、直腸を支える筋肉があります。この筋肉が出産や加齢によって障害され支持力を失うと膀胱や子宮、直腸が正常の位置よりも下に移動(垂れ下がる)します。
この状態をそれぞれ膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤と呼び、これらを総称して骨盤臓器脱(性器脱)と呼びます。そのため膀胱瘤や子宮脱、直腸瘤はそれぞれ単独でおこることは少なく、程度の差はありますがそれぞれ同時に起きている場合がほとんどです。

通常、骨盤臓器脱の治療は手術になりますが、難しい手術ではありません。
従来の方法は緩んだ膣壁の縫縮(縫い縮める)です。これでも当面の修復はされるので、多くの婦人科医や泌尿器科医が手術を行っています。しかし問題となるのはこの病気は再発することが非常に多いということです。従来の方法では弱くなった組織を用いて骨盤底を再建するため再発が多いので、最近ではメッシュを用いた手術が行われています。

このメッシュを用いた骨盤臓器脱の手術は健康保険の適応になりますが、入院が必要です。 入院期間や費用は医療機関によってばらつきがあり、一般的に10日間の入院とした場合、費用は保険3割負担の方で16-20万円程度です。

約10日間の入院期間が必要なのは早期に自宅に戻ると、家事などで立ったり座ったりの動作を繰り返し過剰な腹圧がかり、メッシュが周囲の組織になじむ前にメッシュがずれてしまう可能性があるからです。

しかしメッシュの手術にも欠点があります。
メッシュは体にとって異物であり溶けずに体内に残っているため、メッシュの露出、感染、疼痛、泌尿器系の障害、再発、失禁といった問題が起こる場合があります。

当院ではインティマレーズというレーザーを用いた骨盤臓器脱の治療(Vタイトニング)を開始しました。

インティマレーズにより膣壁のタイトニング(引き締め)を生じ、骨盤臓器の下垂を改善します。
左が治療前、右が治療後のイメージ図です。


インティマレーザーは腟前壁にフラクショナル(点状に)にエルビウムヤグレーザーを照射し
タイトニング(引き締め)とコラーゲンの再合成を生じ、膣壁を補強することで骨盤臓器の下垂を是正します。

海外の臨床試験の結果は
28例の膀胱瘤(グレードⅡ~Ⅳ)をインコンチレーズで2ヶ月に1回、2~3回行った結果、治療後には0~IIIにダウングレードできました。

内訳は治療前のグレードがⅣ 18%、III 39%、Ⅱ 43%だったのが
治療後にはグレードはIII 4%、Ⅱ 25%、Ⅰ 50%、0 21%となりました。

まだ1年以上の長期成績は出ていませんが、メッシュのような異物を入れず、切らずに治せるインコンチレーズは副作用のほとんどない身体に優しい治療です。
また運悪く再発しても身体に負担の少ない治療のため、繰り返し行えるのでこの点でも非常にメリットがあります。